ターボでは、エンジンオイルの粘度不足による摩耗 →油量不足による冷却機能低下 →油膜切れによるベアリング焼き付き →フィルタ目詰まり →バイパスバルブ開 →金属片等のゴミ混入が発生します。エアドライヤーでは、蒸発したエンジンオイルがEGRからの戻りガスやブローバイガスが引き込まれ、乾燥剤をドロドロにしてしまいます。インジェクタ,DPFの故障原因とエンジンオイルの関係については、下記ページをご参照下さい。
エンジンオイルはベースオイルと添加剤を混合したもので構成されており、API(米国石油協会)により5グループに分類されます。
グループ | 呼び方等 | 分類 |
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Gr.Ⅰ | 鉱物油,ニュートラルオイル | 鉱物油 |
Gr.Ⅱ | ハイドロクラック,水素化精製油,HIVI,HVI,高粘度指数基油 | |
Gr.Ⅲ | VHVI(超高粘度指数基油),高度水素化分解基油 | 合成油 |
Gr.Ⅳ | PAO(ポリアルファオレフィン) | 化学合成油 |
Gr.Ⅴ | Gr.Ⅰ~Ⅳに属さないオイル(エステル類,リサイクル油) |
※Gr.Ⅲは、鉱物油を原料としながら水素化分解によって不純物を完全に除外していることから合成油に分類
鉱物油のベースオイルは分子構造がバラバラで、小さな炭素数のオイルから蒸発してしまいます。一方化学合成のベースオイルは、分子構造が均一で均衡な結合を保っています。その恩恵により、カーボンやスラッジが生成されにくく(=熱安定性が良い)なります。 また、粘度指数が高いことで粘度指数向上剤を減らすこともできます。DPFやEGRに堆積した石炭のようなものの正体は、この粘度指数向上剤であることが判っています。
代表性状
項目 | DPINE | Power-D |
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ベースオイル | Gr.Ⅳ | Gr.Ⅲ |
粘度グレード | 10W-40 | 10W-40 |
動粘度40℃[mm2/s] | 91.6 | 94.0 |
動粘度100℃[mm2/s] | 13.8 | 14.0 |
粘度指数 | 154 | 153 |
酸価[mgKOH/g] | 3.13 | 3.13 |
硫酸灰分[mass%] | 1.00 | 0.98 |
塩基価[mgKOH/g] | 7.8 | 8.7 |
流動点 | -42.5 | -37.5 |
蒸発量 Noack[%] | 3.9 | 6.2 |
※Power-Dは、従来からの弊社取扱品
※一般的な純正油のNoackは、12~15%程度
オイル交換推奨走行距離
大型車 | 中型車 | 小型車 |
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90,000km | 45,000km | 30,000km |
※走行条件等により異なります
※使用期間は最長でも1年とします